社会性等の審査(労働福祉の状況)
経営事項審査では社会性等も審査されます。中でも大きな加点及び減点の対象となるのが労働福祉の状況です。
労働福祉の状況
- 雇用保険加入の有無
雇用保険の概算・確定申告書及び保険料の領収証または労働局が発行する納入証明書が必要です。
- 健康保険加入の有無
社会保険の標準報酬決定通知書及び保険料の領収証または年金事務所が発行する納入証明書が必要です。また、年度途中で入退社した職員がいる場合には、その職員の資格取得届又は資格喪失届も必要となります。
- 厚生年金保険加入の有無
上記2の確認書類と同じ
- 建設業退職金共済制度加入の有無
建退共加入・履行証明書及び共済証紙受払簿、手帳受払簿、手帳が必要です。また下請業者へ証紙を交付した場合は、下請業者からの受領証も必要となります。
- 退職一時金制度若しくは企業年金制度導入の有無
- 自社退職金制度の場合
→労働協約又は就業規則で退職手当の確認をし、決算書等で支払実績を確認します。 - 中退共の場合
→中小企業退職金共済事業団が発行する加入証明書及び加入者証または加入者名簿が必要です。 - 特退共の場合
→加入証明書及び加入者証または加入者名簿が必要です。加入者証明書については、市商工会議所で加入しているときは各生命保険会社等が発行する証明書、町村商工会で加入しているときは各商工会連合会が発行する証明書となります。
- 自社退職金制度の場合
- 法定外労働災害補償制度加入の有無
加入証明書、加入者証書または保険証書等が必要です。なお、加入が認められるには、契約内容の中に以下の要件が全て含まれていなければいけません。
- 自社の職員だけではなく、全下請人と直接の使用関係にある職員も補償の対象であること
- 業務災害だけではなく、通勤災害も対象であること
- 少なくとも、死亡及び傷害等級1級から7級までを対象としていること
これらの要件が全て確認できる加入証明書または保険証書等が必要となります。
加点及び減点評価
労働福祉の状況においては、加点評価と減点評価にわかれます。
加点評価
A 建設業退職金共済制度への加入
B 退職一時金制度または企業年金制度の導入
C 法定外労働災害補償制度への加入
減点評価
D 雇用保険の未加入
E 健康保険の未加入
F 厚生年金の未加入
評価の計算式は、(加点評価の数)×15-(減点評価の数)×40となっていますので、例えばすべてに加入していた場合には、(A+B+C)×15-0(減点なし)=45点となります。
しかし、仮に雇用保険一つが未加入であった場合は、(A+B+C)×15-(D)×40=5点となってしまいます。
加点評価(各15点)に比べ減点評価(各40点)が大幅に大きいですので、加点となるためには、まず減点評価を減らしましょう。